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2005年12月6日

会社業務の基本は“ほうれんそう”であるという。ゆうまでもなく“報告・連絡・相談”なのであるが、これを徹底することがなかなかに難しい。

先日東京に出向いていたのであるが、携帯にT下から電話があった。なにやらえらく慌てた様子で“大変だ大竹さん、顔がない”という。理解できないのでもう一度言ってくれとうながすとやはり“顔がないんです”と切迫している。どうしたものか、呆気に取られているとバイトのN口に変わって、どうやらお店のレジにたまったお札等を入れておくカゴが見当たらないことがわかった。これは困った。本来ずぼらな性格でなかなか銀行にも行かないから、お店の売り上げがカゴに結構たまっていたのだ。ないとはいっても他になにも盗まれている様子はないので、再度よく探すように指示して電話を切った。あいや どうすることも出来ずに仕事に戻ったのだが、どうにも上の空で手につかず連絡を待ったのだが、これが一向に電話がかかってこない、業を煮やして電話をすると、しれっと“あ みつかりましたよ”と言いやがるから冒頭の“ほうれんそう”なんてべたな話を柄にもなく説教したわけだが、この“ほうれんそう”もなかなかさじ加減が難しくてなんでもかんでもすればよいという物ではない。

もう数年前になるだろうか、今日のような冬の寒い夜、東京の実家に家族で帰っていた僕に前出のT下から電話があった。なんと会社の灯油ストーブを消し 忘れたかもしれないという。しかも本人も出かけてしまっていて確かめに戻ることが出来ないと言う。どうしようとうろたえているがどうしようもない。僕にどうしろというのか。公共交通機関もすでに走っていないし、すでに随分と酩酊していたので車で帰る訳にもいかない。帰郷気分もふっとび、ときどき会社に電話して呼び出し音をたしかめたりしながらまんじりともせず夜を明かし、よく朝そそくさと実家を後にし逗子に戻った訳だが、なんのことはないストーブはちゃんと消火されていました。人に話す時は話題を拾捨選択しなければならないと肝に銘じた一件。

P.S.
ちなみにその後現金は社内におかないことになりましたので、悪しからず。

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