DM

電話が鳴る。

「夜分遅くに失礼します。郵便局です。お客様がオキナワに送られた荷物ですが、内容物が不明ということで航空便に載せることが出来ないということで、陸送に変更させていただいたと集配センターから連絡がはいりました。ついてはお届けまでに1週間程頂きますのでご了承ください。」

生真面目な口調で局員が告げる。

「いやいや、ちょっと待って下さい、日にち指定してあったでしょう。」

「昨今オキナワ宛の航空貨物は非常に検査が厳しくなっておりまして、内容物がわからないと載せることができないことになっているのです。」

「知っています。もちろん知っていますよ。毎週のように那覇の店に荷物を送っていますから。だから内容物もきちんと送り状に書いたはずですよ。」

「その内容物が分らないということで、陸送にさせていただいたという連絡が入っています。」

「なにが不明物だというのですか?」

「DMですね。DMが何かわからないとので陸送に回したとのことです。」

「DMですよDM。わかるでしょう?明後日のオキナワイベントで配るためのものです。一週間後に届いても意味がないんだ。DMわかりますよね」

「はい。わたくし個人はDMがダイレクトメールだというのはわかるのですが、センターの方の判断なものでまことに申しわけありません。ダイレクトメールと略さずに書いて頂ければよかったのですが。」

申しわけなさそうに局員がこたえる。

「じゃあ聞くけどCDもだめなんですか?」

「いやCDは大丈夫です」

「じゃあDVDはどうなんですか?」

「DVDも大丈夫です」

「CD大丈夫、DVD大丈夫でDMはだめなんですか?」

「DMはだめです。」

天井を見つめる。

「わかりました。一度荷物をこちらに戻してもらえますか。ダイレクトメールと書き直して送り直します。明日送ればまだ間に合うと思うので。」

「申しわけございません。すでに陸送されているということで今どこにあるかは私どもでもわかりかねまして。神奈川と鹿児島の間にあるのは確かなのですが。」

庭で野良猫が鳴いている。

「百歩譲ってDMという表記がダメだとしても、なぜ陸送になるならその時に連絡してくれないのですか?なんのための日にち指定ですか。それがサービスってものでしょう。」

「申しわけありません。なにぶんオキナワ宛の荷物は厳しいもので。」

結局イベントの終わった数日後、DM(ダイレクトメール)はオキナワに届いた。


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