赤帽のドライバーがチャハットを見つけられないので場所を説明してくれと電話をかけてきた。
おやすいごようだ。今どこにいるんですか、周りに何かありますか?と問うとしばしの沈黙の後
「電柱の横にいる」
という。
…それでは分からないので他に何かないでしょうかと問うと
「美容室の横にいる」
なんて美容室でしょう?
口ごもる赤帽の人。
読めないらしい
お店の様子を説明してもらいどうやらチャハットの面している裏通りと平行して走っている表通りの美容室shampooの前にいるらしいことが分かった。
そのまま200m程まっすぐ行ってセブンイレブンのある信号を左折してまたすぐの信号を左折して200m戻れば着きます、と言うと
“それはできない あなたの住所は3丁目だがセブンイレブンまで行くと4丁目になってしまう”
………………………
とにかく言う通りに来てください。道に出て待ってますから。
ところが店の前で待つ事10分程、一向に赤帽の人
が現れない。あきらめかけたころ再び電話。
「今工務店の前にいるんだけど」
なんて工務店でしょう?
「…このあたりには工務店は一軒しかない!!」
…..
とにかく看板を読んでくれと頼むと
手探りの口調で
「か か かおるこうむてん… かな?」
薫工務店だ!
そのまま待っててくれ。こっちから行くから。
すったもんだの挙げ句受け取ったのは、ふたの開いたみかん箱にはいったサンプルの小さなカバン一つ。
受け取りのサインはどこにしますか?というと
「あ いらないや」
といって西に向かって去っていったのでした。