コーヒーを飲もうと手を伸ばしたらシャツの袖口にべったりと赤黒いシミがついていた。
先日の出張で泊まったネパールのホテルの朝食の時の出来事である。
よく見るとシャツの胸元にも同じシミがある。
血?
怪我をしているのか?
と思い手のひらなどを調べるがどこにも傷の形跡はない。
鼻血でも出たんじゃない、と皆に言われたが
冗談じゃない!
いくらなんでも鼻血がでたら、さすがの僕も気づくでしょ
いやあ、それよりも、ホテルの洗濯係が怪しいな
だってこのシャツは昨晩ランドリーから帰ってきて、たった今着替えたばっかりだよ。
やつら、汚したまま、しれっと返したに違いないよ
一言文句を言った方がいいかもしれないな
とその時、違和感をかすかに感じ顔に手をやると、
あ 鼻血…
ごめん鼻血が出てたみたい。
あわてて食堂のナプキンを鼻にあてがうと、乾きかけの鼻血がペットリと付いたのでした。
シャツに血がついているというクレームを、鼻血を流しながらホテルの従業員に言わなくてよかったの巻。