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川の向う

金曜日は燃えるゴミの日。
朝、玄関に置いてあったゴミ袋を持って家をでた。

今日も暑い...

なんて思っていたら、車を運転して駐車場からでようとしている自分がいた。
窓の外を近所のおばあさんがゴミ袋をぶら下げてゆっくりと歩いている。

はて...

いかんいかん。ゴミを捨てに行くのを忘れた。ゴミ袋がここにないということはきっと無意識のうちにどこかに置いてしまったのだろう。年のせいか最近こういう類いのうっかりが多くて困る。車を駐車場にとめなおし、ゴミ袋を取りに家に走った。

ところがどこにもゴミ袋が見当たらない。玄関先で袋の口を結わいたのは確かだ。記憶がある。念のため家族に聞いたが、不安そうに誰も知らないという。

そんなことはあり得ないとは思ったものの、念のためゴミ捨て場に行ってボックス開けてみる。ガサゴソ探していたら2つ目のボックスから僕が先程口を結んだゴミ袋が出て来た。中身を確かめたら個人の名前が書かれた紙くずなども入っているから間違いない。

しかしゴミ捨て場に寄った記憶は僕にはない。なんとか思い出そうとしても白い光に遮られてなにもみえないのだ...

♪いつかー川の向うにいってみたいな、と思ったら来てたー♪
いつか聞いた風太郎の歌のリフレインが聞こえる。

できればもう少しだけ、もとの岸辺にいさせてもらえないだろうか。そのうち来るからさ。

 

 

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