Kantha(カンタ)はインドのベンガル地方の刺し子の生地のこと。布を大切にするベンガルの人たちは使い古した生地を捨てたりせず、何枚も重ね合わせて糸を刺し、敷物やおくるみにしたりして再利用する。時に様々なモチーフを刺繍したものもある。
Kanthaを選ぶ時にマスクは欠かせない。何しろ何百枚も重なっているアンティークの生地たちを端からひっくり返して気に入ったものを探すのだ。埃まみれになるのは覚悟しなくてはいけない。インド人のスタッフに手伝ってもらい一枚一枚みていくのだが、時に30分見ていて一枚も気に入ったものが見つからないことがある。ひたすら、いらない、いらない、いらない、いらないと言い続けていると、もしかして自分の感覚がずれているのかもしれないと不安がよぎる。
いる!欲しいkanthaは突然に現れ、それがしばらく続いたりするのだが、砂の中に落ちた貴石を探すような気持ちで毎回選んでいる。
毎回インドに行くと丸一日はkanthaの山に立ち向かうのだが、この二月の訪問では少し勝手が違った。欲しいkanthaばかりなのだ。いる,いる,いる,いる、繰り返し言っていると、自分の感覚がずれているのかもと不安になるが、どう見返しても欲しいものばかりだ。みるみる選んだkanthaが山になっていく。どうやらあるkanthaの収集家が手放したコレクションをわざわざ僕たちがインドに来るまで取っておいておいてくれたのだ。
というわけで久しぶりにまとめてよいkanthaが届きました。そして洗濯も終わりました。しばらく眺めていたい気もしますが少しずつオンラインショップで紹介していきます。