オールを手放さない

マスクをしてない人とすれ違うとき距離をとる。
マスクしてない人がジョギングしているとさらに遠ざかる。
つい他府県ナンバーの車を見つけてしまう。
メディアから与えられた情報が無意識に僕の価値観を刺激する。。

人とは距離を取ろう、マスクをしよう、外出は自粛しよう、
このコロナ禍を乗り切るにはどれも大切なことだと思うし、僕もそれを守ろうと思う。それがこの疫病から人類が逃れるのに最短の道だろう。全人類が二週間自宅にこもったら一気にコロナウイルスは終息に向かうのにとも思う。そのために我慢して努力して耐えているから、様々な制約を守らない人にかすかな(時に大きな)違和感や苛立ちを感じるのだ。そんな感情が自分の中にあることに、驚き、ためらい、うんざりする。

 

人から刷り込まれた情報が僕を侵食し、不可思議な正義が自分の心の中に育ち始めている。集団の正義が増長し猛威をふるい始めることを僕たちは歴史から何回も学んでいる。行き着く先は、極端にいえば虐殺であり戦争だ。自分が正義の同調圧力にシンクロし始めていることが無性に居心地が悪く、その自分の気持ちを確かめるために、この文章を書いている。

大きな流れに身をまかせていても、自分のオールだけは決して手放さないように、いつでも漕ぎさせるように、自分の気持ちを見つめていたいと思う。

で 結局何が言いたかったというと、chahatズシの5月の営業はありません。
カマクラも依然として休業しています。再開時期はまた追って発表いたします。
お店がオープンできる日を楽しみに待っています。

今日はchahatズシが新しい場所に移転して1周年記念だということを友人からの電話で知りました。あとでビール飲もう。

 

 


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kantha now on sale!

Kantha(カンタ)はインドのベンガル地方の刺し子の生地のこと。布を大切にするベンガルの人たちは使い古した生地を捨てたりせず、何枚も重ね合わせて糸を刺し、敷物やおくるみにしたりして再利用する。時に様々なモチーフを刺繍したものもある。

Kanthaを選ぶ時にマスクは欠かせない。何しろ何百枚も重なっているアンティークの生地たちを端からひっくり返して気に入ったものを探すのだ。埃まみれになるのは覚悟しなくてはいけない。インド人のスタッフに手伝ってもらい一枚一枚みていくのだが、時に30分見ていて一枚も気に入ったものが見つからないことがある。ひたすら、いらない、いらない、いらない、いらないと言い続けていると、もしかして自分の感覚がずれているのかもしれないと不安がよぎる。

いる!欲しいkanthaは突然に現れ、それがしばらく続いたりするのだが、砂の中に落ちた貴石を探すような気持ちで毎回選んでいる。

毎回インドに行くと丸一日はkanthaの山に立ち向かうのだが、この二月の訪問では少し勝手が違った。欲しいkanthaばかりなのだ。いる,いる,いる,いる、繰り返し言っていると、自分の感覚がずれているのかもと不安になるが、どう見返しても欲しいものばかりだ。みるみる選んだkanthaが山になっていく。どうやらあるkanthaの収集家が手放したコレクションをわざわざ僕たちがインドに来るまで取っておいておいてくれたのだ。

というわけで久しぶりにまとめてよいkanthaが届きました。そして洗濯も終わりました。しばらく眺めていたい気もしますが少しずつオンラインショップで紹介していきます。

https://chahat.thebase.in/categories/898148


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インドの牛

ゴアのビーチでは夜な夜なパーティーが行われていた。

80年代後半のことだ。ビーチで、草原で、森の中で。いろいろな国の人が集まってダンスミュージックを流して朝まで遊んでいた。そのころ僕は20代の初めでジャングルの中に野宿して生活していて、たまに遠出してはパーティに参加していた。

その夜のパーティは森の中。100名以上はいたと思う。月のきれいな夜で、ヤシ酒を飲んでご機嫌に寝転んでいたら、急に音楽がぶちぎれるようにやんだ。

ポリース!

誰かが叫ぶ声が聞こえた。目を向けると長い棒を振り回しながら警察官が会場になだれ込んできていた。蜘蛛の子を散らすように逃げる若者たち。僕も脱ぎ捨ててあったサンダルをようやくみつけ、森の中へと逃げ込む。方向なんてわからない。とりあえず遠くへ遠くへ。気がつくと6人ほどになっていた。

 

もうここまで来たら大丈夫だろう。

窪みに身を隠して煙草に火をつけ自己紹介し合う。ドイツ人、アメリカ人、夫婦のスイス人は警察官だと自己紹介し、だからこんなところで捕まるわけにはいかないんだよねと笑った。どうやら、パーティーの主催者が警察官に袖の下を渡さないままパーティーを決行したのが原因なのではないか、という話だった。ほんとか嘘かはわからない。

ふたたび歩き出す。どれくらい森の中を歩いただろう。ようやく見つけた人の歩いた跡をたどっていくと、ひらけた場所にでた。満月に煌々と照らされた道がカーブを描きながら輝いている。ここはいったいどこなのだろう。やがて遠くから白い牛が荷車を曳きながらこちらに向かってくるのが見えた。一歩一歩アスファルトを踏みしめる牛は月光に照らされ、おおきな角がゆるやかに揺れている。

ゴッドステップ

誰かがつぶやく。

白く月光に輝く牡牛は、神様が乗るなら確かにこの牛だろうというおおらかな威厳をかねそなえていた。やがてゆっくりと僕たちの前で止まる。。

荷車の男と交渉をして荷車に乗り込み、ようやく僕たちの長い夜は終わった。

 

インドの牛のバンダナ now on sale!

 

https://chahat.thebase.in/items/28468153

 

 


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チャイの思い出

ハイ、ブラザーまずは一杯どうだ

店主が差し出したチャイグラスには7分目ほどチャイが注がれていた。

たまたま乗ったリクシャドライバーに連れてこられたお土産物屋。普段なら観光客目当てのドライバーの言うことなど右から左に聞き流すのだが、つい魔が差してしまい、5分だけという約束で、彼の友人だという土産物屋に連れてこられたのだ。

雑居ビルの奥、薄暗い部屋、土産物屋というにはあまりに少ない品揃え。

狭い店内には5人ほどの男たちが黙って立っている。

さあ チャイを飲め

窓を背に座る店主の表情は逆光でよく見えない。

チャイグラスを手に取る僕を男たちがじっと見守る。

誰も何もしゃべらない。

 

一度持ったチャイグラスを棚に置き、埃だらけの商品を手にとってじっくりと眺める。質問をすると男は短く答える。穴があくほどひとつずつ商品を眺めながら出口に近づく。ドアノブに手をかけ店内を振り返った。

5分って約束だったな。5分たったから帰るよ。

なんでチャイを飲まないんだ。俺の友達を疑うのか

ドライバーの怒声が背中から聞こえるのも構わずビルの外に飛び出て通りがかったタクシーに飛び乗った。

 

そんな僕が選んだかわいいチャイグラスがオンラインストアに再登場!

写真撮り直しました。6個セットだとちょっとお得です。

美味しいチャイを飲んで、ほっと一息つきましょう。

 

https://chahat.thebase.in/items/2257201

 

 

 


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インドより荷物届く

「オートコ オートコ」ムケッシュはいつも僕のことをそう呼ぶ。
「オータケ」だと何回か教えたのだが、一向に覚えないので、諦めて「オートコ」と呼ばれるがままにしている。インド人の中には「オータコ」と呼ぶ人もいるので、もしかしたら「オータケ」という発音が難しいのかもしれない。

ムケッシュはインドのジャイプールの布工場の社長で、かれこれ15年ほどの付き合いになる。机の上が片付づけられない、物をよくなくす、頭の毛が薄くなりかけているなど(この前は僕が植毛したのではないかと疑いをかけられた)共通点も多く仲良くしている。

無類の布好きで、インド各地の布を手に入れてきては、嬉しそうに見せてくれる。仕事をするならやはり物が好きな人と仕事をしたいと、彼を見ているとつくづく思う。先日は、それは素晴らしいカンタのコレクションを見せてくれた(そして一部は譲ってもくれた)もう今ではここまでの質の高いカンタ(ベンガルの刺繍の布)は手に入らないかもしれない。

そんな彼の住む街もコロナ騒ぎでロックダウンされてしまいもう、一ヶ月近くたつ。
「オートコ お前には想像ができるか。俺はワイフと24時間一緒に生活しているんだぞ」と先日は愚痴めいた電話がかかってきた。とりあえず家族共々無事そうでよかった
そんな彼がロックダウンの前日に僕に送ってくれた荷物が先日届いた。何があるかわからないからといって、とりあえず送れるものをまとめて送ってくれたのだ。あと1日遅ければ荷物が届かないところだった。
そんな中から今日はブロックプリントのバンダナを紹介する。

これから準備が出来次第届いたものを紹介するつもりなのでお楽しみに。

https://chahat.thebase.in/categories/2329267


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鯉のぼり入荷しました!

草木染めの鯉のぼり!!
大きな鯉のぼりは飾れないけど、素敵な鯉のぼりが欲しい。
昔ながらの型染めの技法で天然染料のみで染められた鯉のぼりはいかがでしょうか。
青(藍) ,赤(茜),黄(玉葱) , 白(松の煤), 黒(藍x玉葱)の五色は陰陽五行に由来する配色です。
大きさは 吹き流し100cm 真鯉90cm 緋鯉88cm 子鯉65cmです
39000yen+tax

この鯉のぼりは一般就労が困難な人たちが、生き生きと働ける場を提供するクラフト工房ラマーノという団体が作っているものです。

 

https://chahat.thebase.in/items/27163144


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CALICIO:Travel Report 2019
に参加します。
2019.4.6~4.13

初日はお話会もあるみたいですよ。
ぜひ!!
gallery fu do ki
〒174-0043 東京都板橋区坂下3-8-6


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大晦日の選択

車の中がなんだか臭う。

大晦日の雨まじり高速道路。妻と犬2匹(アルとスン)で東京の実家を目指している最中のことだ。

気のせいかとも思ったが臭いはますます強くなるばかり。

助手席の妻が後部座席を振り返り悲鳴をあげた。

「たいへんアルがウンコしている」

バックミラーで確認すると、荷物室のアルが情けない姿でこちらを見ている。申し訳なさそうな顔をしいるが太々としたウンコはとまらない。

臭い、とても臭い。とても耐えられない。

車をとめてウンコを処理すべきか。

いや、最近高速道路で車の外にでて轢かれる事故のニュースをみたばかりだ。

しかしこの臭いは我慢できない。

究極の選択を迫られた僕は、冬の雨の降る高速道路を次のサービスエリアまで、窓を全開で走った。

寒い。


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a happy new year !! 2018

あの山の向こうになにがあるんだろう
あの鳥はどこに飛んで行くんだろう
僕たちはどこに向かっているんだろうね
そんなこんなでたぶん25周年
2018のchahatもよろしくお願いします!

chahatカマクラは1/2よりubdy展開催します。
chahatズシ、オキナワは次のイベント開催時にオープンします。

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ムルティプラ

真夜中のコインパーキングに車を取りに行くと、僕のゴルフの先に懐かしい車が停まっていた。

黒のフィアット ムルティプラ

前3席後席の6人乗り。ナポレオンフィシュのような独特のフォルムが大好きで、まだ小さかった子供達を乗せてあちこちに行った。運転中にシフトレバーが外れる(もう一回させば大丈夫)、ダッシュボードの塗装が溶け出してベトベトする(触らなければ大丈夫)、いろいろ問題はあったけれど、それも含めて大好きだったムルティプラ。

次の車検を通すのに八十万円かかる、それでもまたすぐどこか壊れるかもしれないね。なくなく手放すことを決めた十年目の冬。中古車のオークションに出してもらったりもしたが引き取り手は見つからず、泣く泣く手放したドナドナの夕暮れ。

もう二度と会うことがないと思っていたムルティプラが深夜の駐車場で僕を待っている。いやいやそんな筈はない。たまたま同じ色の車じゃないか。思わず駆け寄って確かめる。ハッチバックのへこみ、バンパーの汚れ、ボディの3つ並んだ傷、間違いない僕のムルティプラ。廃車になったはずのムルティプラ。ドアのくぼみをそっと撫ぜる。なんだかボディも磨かれて、車内も整頓されていて、僕と一緒にいたころよりもずっと綺麗だ。幸せなんだね。

少し離れてゴルフが静かに僕を待っている。こんなに広いコインパーキングなのに停まっているのはムルティプラとゴルフの2台だけ。

「いやそうじゃないんだ。君のことは今でも好きだ。どうしようもなかったんだ。あの時はこうするしかなかったんだ」

街灯が僕らを照らしている。

ごめん、もう行かなくちゃ。

真夜中の駐車場に残されたムルティプラがバックミラーの中で小さくなって行く。
さようなら。
僕を乗せて銀色のゴルフは我が家へと夜の街を走る。

それから黒のムルティプラを街で見かけたことはない。


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